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外国人技能実習生の受け入れ準備

外国人技能実習生を受け入れるために、企業や事業場が用意しておかなくてはならないのが環境づくりです。外国人にとって、日本は言葉も文化も異なる「外国」。働くのはもちろん、日々の生活にも不安を感じています。

慣れない地でも安心してスタートを切れるよう、土台からサポートして迎え入れましょう。

住居の準備

外国人技能実習生を受け入れるには、まず住まいを準備する必要があります。寮や社宅などの宿泊施設を用意するようにしましょう。寮や社宅がなく、アパートやマンションなどの賃貸契約をする場合、契約は受け入れ企業名義で行いますが、1つの部屋で複数人に共同生活をしてもらうことも可能です。

技能実習生の住居は、以下のように細かな決まりがあります。

  • 1人あたりの寝室床面積は4.5平方メートル(3帖以上)とする。
    (6帖部屋の場合は定員2名まで共同生活が可能)
  • トイレやシャワーなど、一般的な日常生活をするための設備が整っている
  • 東京・大阪・京都・名古屋の都市部に居住する実習生の場合、給与から控除する住宅費が毎月30,000円を超えてはならない。
  • 賃貸物件の敷金や礼金などの初期費用は、受け入れ企業側が負担すること
  • 電気代などの水道光熱費の請求額は、寮・社宅に住む実習生の人数で割った金額を上限に控除する

生活用品の準備

技能実習生が不便を感じずに生活するために、必要最低限の家電やキッチン用品も受け入れ企業側が準備する必要があります。

必要最低限の家電とは、洗濯機や冷蔵庫、炊飯器、冷暖房、テレビやラジオなどで、キッチン用品とは調理器具や食器類などです。

他にも、ベッドやふとんなどの寝具一式、テーブルと椅子、シャンプーや石鹸、タオル、トイレットペーパーなどの日用品、掃除道具や照明器具も生活用品に含まれます。周りに公共交通機関がない場合、自転車を用意する企業もあります。

これら生活用品は、新たな購入はもちろん従業員が使っていた家電の提供など中古品の利用も可能です。

通信環境の準備

スマートフォンの利用が浸透する現代社会において、通信環境の準備も重要です。特に外国人実習生は、母国の家族と連絡を取るのにスマートフォンを利用しますし、監理団体や実習実施者と連絡を取りやすくするためにもスマートフォンは欠かせません。

外国の地で安心して暮らしてもらうためにも、通信環境を整えてあげると良いでしょう。

Wi-Fiの必要性

技能実習生としてやって来るのは、主に東南アジアの若者たちです。ほとんどの実習生がスマートフォンを所持していますが、日本に来る前に母国の通信会社との契約を解約するため、日本でそのまま使うことはできません。

彼らの多くはSNSのメッセージ機能を使って家族や友達とビデオ通話をしますが、日本の電話会社と契約をする人はあまりいません。

Wi-Fiの使用料は実習生から徴収できますので、Wi-Fi環境を準備するようにしましょう。

ネット環境がない場合のデメリット

寮や社宅にWi-Fiの設置が義務付けられているわけではありませんが、彼らは母国にいる家族や友達と密に連絡を取り合います。

自分の部屋にWi-Fiがあれば終業後は寮に帰るだけですが、Wi-Fiなどのネット環境が無い場合、無料のWi-Fiを利用できるコンビニなどに夜な夜なたむろし、周辺住民からクレームを受ける原因になってしまいます。

近隣とのトラブルや業務外の問題を避けるためにも、Wi-Fi環境は整えておくのがおすすめです。

固定回線がおすすめ

技能実習生は、母国の家族や友達とビデオ通話で連絡を取り合います。ネット環境を整えるのにポケットWi-Fiなどの手軽な手段もありますが、すぐに通信容量がオーバーしてしまうでしょう。

モバイルキャリアによっては「無制限プラン」などもありますが、同時に何人もの実習生が接続すると、通信速度が遅くなってしまいます。

寮や社宅にネット環境を整備するなら、固定回線を契約してWi-Fiルーターを設置するのがベストです。

携帯電話を貸与する企業もある

実習生の病欠連絡や万が一のトラブル時の連絡手段として、技能実習生に携帯電話を貸与する企業もあります。

携帯電話の貸与が難しい場合にはSNSを活用しましょう。ルールや使い方をしっかりと教えれば、技能実習生各自と連絡を取れるようになります。

FacebookのMessengerや日本で主流の「LINE」アプリを技能実習生にインストールさせるなども有効です。

保険の準備

技能実習生を受け入れるためには、日本人を雇うときと同じように、各種保険も備えておかなくてはなりません。必要な保険は以下の通りです。

雇用保険

雇用保険とは、労働者が失業したり雇用の継続が困難になったりした際、労働者の生活や雇用の安定を図り、再就職をサポートするために給付される制度です。

労働者を1人でも雇用している事業は、労働者の意思に関係なくすべて雇用保険に加入しなくてはなりません。技能実習生を受け入れたら、雇用保険の手続きを取りましょう。

労災保険

業務上の事故や通勤時の災害などによって怪我を負ったり病気にかかったりしたとき、または傷害や死亡に対して労働者本人やその遺族のために給付されます。雇用保険と同様に、労働者を1人でも雇用する場合は労災保険への加入が必須です。

健康保険

技能実習生は、入国後1か月間の講習期間中は「中長期滞在者」として国民健康保険に加入します。

講習終了後は受け入れ企業での「健康保険」に切り替えをします。講習期間中、2,000円程度の国民健康保険は実習生が負担しますが、企業へ配属された後は、日本人と同じく事業主と技能実習生で負担額は折半となります。

実習生の負担分は毎月の給与から控除し、給与明細書に明示するなどの方法で本人に通知するのが通例です。

国民年金と厚生年金

日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなくてはならない国民年金・厚生年金。技能実習生の場合、講習期間中は収入がないため国民年金の免除申請ができますが、配属後は加入する義務が生じます。

企業の厚生年金の場合、健康保険料と同じように毎月の保険料を技能実習生と受け入れ企業で折半し、実習生が負担する分は毎月の給与から差し引きます。

また、技能実習生などの日本国籍を有していない外国人の場合、厚生年金保険に加入していた期間の合計が6か月以上あり、出国から2年以内など一定の条件を満たすと、母国へ帰国した後の申請手続きで、過去3年分に遡って「脱退一時金」を受け取れます。

年金を支払って帰国しても、支払った分はきちんと戻ってくることを説明して理解を得るようにしましょう。

外国人技能実習生総合保険

技能実習生の入国から帰国までの全期間をカバーできる民間の保険もあります。

「外国人技能実習生総合保険」は、法務省の「技能実習生の入国・在国管理に関する指針」を受け、公的保険を補完する目的で設けられた傷害保険です。

技能実習生がケガや病気になった場合も安心して治療を受けられるほか、日常生活のトラブルで損害賠償責任を問われた場合の賠償金、不慮の事故によって本人が死亡してしまった場合も遺族が賠償金や死亡保険金を受け取れます。

参照元:ティグレグループ

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