着実に増加している、農業における技能実習生の受け入れ。しかし、「農業」だからと一括りにして、どんな作業でも任せられるというワケではありません。ここでは、技能実習生が従事できる作業内容や、受け入れにおける注意点をまとめました。
外国人技能実習生を受け入れることができるのは、基本的に国内の農家や農業法人です。しかし、この制度は国際貢献を目指しているため、様々なルールや要件が設けられています。
具体的には、農業協同組合や中小企業団体などの監理団体が公的な支援や指導を受け、そのメンバーである農家や農業法人が監理団体の指導のもとで技能実習生を受け入れます。これを団体監理型受入れと呼びます。
日本の先進的な技術や知識の移転が目的なので、技能実習生を受け入れる農家は適切な経営内容が求められます。また、技能実習責任者の設置や技能実習指導員、生活指導員の配置が必須となります。
さらに、宿泊施設の提供や安全な実習環境の整備も求められます。
受け入れ機関は、技能実習法や入管法、労働法、保険法などを遵守し、技能実習生の権利を守る必要があります。受け入れを考えている方は、セミナーや説明資料を利用して、まずは制度について理解を深めてください。
技能実習生の国籍に制限はありません。しかし、この制度の目的は開発途上国への技術移転であり、そのニーズが大きい国からの受け入れが主となります。
農業の技能実習生については、ベトナム、中国、フィリピン、インドネシア、カンボジアなどの東南アジアからの受け入れが多く、この傾向は続いています。
送り出し国のニーズについては、公益財団法人国際人材協力機構や外国人技能実習機構に相談することをおすすめします。
特殊技能「農業」では、田畑に種をまいて作物を育てる「耕種農業」と、養豚・養鶏・酪農を指す「畜産農業」の2種類があります。耕種農業では、穀物(麦や豆など)、工芸作物(綿・麻・油・タバコなど)、野菜・果物・草花などが対象。ただし、米は含まれません。畜産農業では、養豚・養鶏・酪農に従事することが可能です。
耕種農業では、ビニールハウスなどを利用した園芸作物の栽培、野菜などの畑作、果樹園での周年作業に従事します。栽培作業だけでなく、野菜や果物を原料とした加工品(ジュース・ジャムなど)の製造・販売も担います。畜産農業では、家畜の飼育作業、畜産物を原料とする製品の製造・加工・販売、生産物の構内運搬・梱包、出荷作業が含まれます。冬場の除雪作業も、関連業務として依頼可能です。
職種名 | 作業名 |
---|---|
耕種農業 | 施設園芸 |
畑作・野菜 | |
果樹 | |
畜産農業 | 養豚 |
養鶏 | |
酪農 |
農業分野における技能実習生の受け入れ人数枠は、農業経営の規模や内容、監理団体の指導体制などにより異なります。具体的な人数枠は、農林水産省の公表する「技能実習制度における農業分野の受入れ人数の目安」に基づきます。
この目安は、農業経営の規模や作物の種類、作業の内容などを考慮して設定されており、適切な労働環境の確保や技能実習生の権利保護を目指しています。
近年、日本の農業分野で働く技能実習生の人数は増加傾向にあります。これは、日本の農業人口の高齢化や後継者不足といった問題を背景に、農業労働力の確保が求められているためです。
また、技能実習制度を通じて、日本の農業技術を開発途上国に移転することで、国際貢献を果たすという目的もあります。
これらの背景から、農業分野での技能実習生の受け入れは今後も増えていくと予想されます。
農業では、耕種農業には栽培管理、畜産農業では飼養管理が含まれていなければならないなど、受け入れ側が知っておくべき注意点が多々あります。また、技能実習生の仕事や生活のサポート面を考えると、具体的なフォローを行ってくれる監理団体への加入が欠かせません。専門的な用語も多い農業ですから、農業に詳しく外国語に長けた人材がいる監理団体を選ぶと良いでしょう。
農業における技能実習では、栽培管理または飼養管理が業務に含まれている必要があります。これらがまったく含まれていない業務を任せることは違法となり、不法就労となってしまうので要注意。農畜産物の製造・加工・販売や、除雪作業といった関連業務も、これだけをメインとするような働き方は不可能であることを知っておきましょう。
肉体労働である農業には、ある程度の危険が伴います。たとえば熱中症、農薬や農作業機器の取り扱い、虫刺されやケガなど、そのリスクは広範囲に及びます。こうした面を技能実習生がきちんと理解する必要がありますが、言葉だけでうまく伝達できないこともあるでしょう。こうした場合に、通訳サービスなどで頼れる監理団体に加入しておくことが重要です。
※2022年11月10日時点のGoogleで「技能実習生紹介 愛知」と検索して出てきた愛知に本部がある技能実習生紹介組合の中から、技能実習生紹介を専門的に取り扱っており、日本語研修が実施されていることが公式HPに記載されている3組合を応えられるニーズ別に以下基準で選定。
フレンドシップ協同組合:唯一母国語対応の外国人スタッフが24時間365日サポート
三愛友好交流協同組合:全国に紹介対応し、唯一累計5000人以上の実習生を受け入れており、豊富な人材提供ができることを明記(2022年11月時点公式HPより)
GTS:唯一10ヵ国から人材を紹介し、実習生を母国での子会社にて再度雇用するプランを提供